- なんでほぼ陸にいないのに住民税払わないといけないのだろうか
- 住民税払わなくていいお得な制度はないのか
一年の半分以上を船上で生活する外航船員なら一度は思ったことがあるでしょう。
そこで、情報に敏感な外航船員ならば一度は聞いたことがあるかもしれない外航船員の住民税優遇制度は実際にお得なのか?について解説していきます。
結論
「全くお得な制度ではないです」
では、なぜお得な制度ではないのか解説していきます。
住民税について
なぜお得じゃないかを解説する前に、住民税について簡単に説明します。
住民税は全国でほぼ一律で課税所得に対して10%と決められています。
課税所得とは、給与(所得)から控除を除いたものです。
給与-控除=課税所得
また、住民税は所得割額と均等割額に分けられます。所得割額の部分は所得に応じて納めなければならない額が増え、均等割額は納税者にかかわらず一定です。住民税10%の大半は所得割額で構成されており、均等割額は住民税を納める手数料のようなものです。(税金を納めるのに手数料とは意味が分かりませんが…)
住民税=所得割額+均等割額
さらに所得割額と均等割額はそれぞれ県民税と市民税に分かれます。所得割額については県民税4%と市民税6%で合わせて10%です。均等割額について1年で県民税1,500円で市民税3,500円です。
ここまで読んで、こんがらがってしまうかもしれませんが全体の理解をする必要はありません。
この市民税の均等割額3,500円が重要になってきます。
住民税優遇制度について
全国で外航船員の住民税減額制度は
三重県の四日市市・志摩市・鳥羽市に加えて静岡県の焼津市の愛媛県の今治市の5市
で実施されています。
この制度は半年以上乗船している船乗りの住民税のうち均等割額の市民税を半額にするというものです。(参考:四日市市の税条例)
つまり先ほど説明した3,500円が半額になる、1,750円が毎年還付されるという制度です。
半年以上も行政のサービスを受けられないことを考慮し制定されているにも関わらず、免除される額が1,750円は市民を馬鹿にしているのではないかと思ってしまうほどです。
もともと5つの市に住んでいる人が、ついでに減額してもらえるにしても少なすぎます。
このためだけに移住するくらいならば少し安い家に引っ越したり、家計の見直しでひねり出すことは簡単な額だと思います。
まとめ
筆者は、この制度を住民税が半額になると勘違いして移住まで検討していました…
この制度について、誤解をしたまま移住をしてしまう人がいないことを願います。
この記事で少しでも税制優遇措置がお得ではないことを知っていただけると幸いです。
コメント